石綿(アスベスト)補償、労災と給付金のちがい
2024-03-22
カテゴリ:アスベスト(石綿)
石綿ばく露作業従事被災者に対する国の救済枠組みに関連し、労災と給付金のちがいについて、ごく簡潔に説明します。
まず、労働者として仕事中に石綿ばく露作業に従事し、石綿関連疾患(中皮腫、肺がん、石綿肺、びまん性胸膜肥厚、良性石綿胸水)に罹患した場合、労働基準監督署に申請することで、労災認定を受けられます。
労災に認定された場合に給付されるのは、主に、療養補償給付(治療費にあてる)、休業補償給付(休業損害にあてる)、障害補償給付(逸失利益にあてる)、遺族補償給付(逸失利益にあてる)などであり、慰謝料にあてられる給付はありません。
このように、後遺障害や死亡に対する慰謝料に相当する給付がないことにより、被災者の補償としては不十分なため、それを補う意味合いもあり、建設型の給付金の制度があります。
また、工場型の和解によって国から支払われる損害賠償金も、慰謝料+弁護士費用なので、同じく労災給付の不足を補う意味合いがあると言えます。
請求する順序としては、一般に、労災手続を先行させ、その認定の際に集められた資料なども活用して、給付金(建設型)や国に対する提訴+和解(工場型)を求めていくという流れになります。
ごく簡潔に、平たく説明しましたが、参考になれば幸いです。
「工場型と建設型のちがい」についてもご参照ください。
石綿(アスベスト)被害に関する事件の流れやご費用の目安、解決事例等については、こちらのページをご参照ください。
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