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アスベスト(石綿)被害に遭われたときは
アスベスト(石綿)の病気が判明したとき

目次

1⃣ 医師への相談
かかられた病気がアスベスト(石綿)のばく露に起因するものであることを確認する必要があります。

石綿肺では、その有無や程度を確認するのに、レントゲン画像が必要となります。
中皮腫は、中皮腫であることを確認するために、免疫組織学的検査が必要となります。
とくに問題になるのが肺がんです。ご存じのとおり、肺がんは喫煙との関連性が深いなど、アスベスト(石綿)以外にも多くの原因が考えられる病気のため、アスベスト(石綿)のばく露に起因する肺がんであると認められるために、いくつかの基準を満たすことが必要となります。これらの基準を満たすことを確認するために、レントゲン検査、CT検査による石綿肺や胸膜プラークの確認、肺内石綿小体の測定等、必要に応じていろいろな検査が必要となります。

まずは、担当医師に、被災者の方のアスベスト(石綿)ばく露歴があることを伝えましょう。担当医師の方から聞かれることも多いと思いますが、まれに、担当医師がアスベスト(石綿)関連疾患にお詳しくないこともあるからです。

もしも、担当医師がお詳しくないように感じられたら、別の病院を受診して、アスベスト(石綿)関連疾患に詳しい専門医にかかられることも重要です。
2⃣ アスベスト(石綿)ばく露の調査
被災者の方が、いつ、どこで、どのようにしてアスベスト(石綿)にばく露したのかを調査する必要があります。

アスベスト(石綿)製品を製造する工場で働いていたことがある、そのような工場でなくても、たとえば工場内での作業の際にアスベスト(石綿)でできた耐火グローブを用いていたとか、機械を整備する際にアスベスト(石綿)でできたパッキンを交換していたとか、様々な工場でのアスベスト(石綿)ばく露があり得ます。
また、大工・内装工、電気工、配管工といった建築作業に従事する方々も、以前は多く使用されていたアスベスト(石綿)含有建材を切断・加工等する際にアスベスト(石綿)ばく露されているかもしれません。
このように仕事でのアスベスト(石綿)ばく露があって、それが原因でアスベスト(石綿)関連疾患にかかられた場合は、労働災害の認定を申請することができます。

もちろん、仕事でのアスベスト(石綿)ばく露以外にも、長年居住されていた家の近所にアスベスト(石綿)製品の製造工場があって、そこから発生飛散したアスベスト(石綿)粉じんにばく露したというようなことも考えられます(これを「環境ばく露」といいます。)。
他にも、アスベスト(石綿)にばく露する作業に従事する労働者の奥様などが、ご主人の作業着を洗濯する際に、作業着に付着したアスベスト(石綿)にばく露するという事例もあります(これを「家庭内ばく露」といいます。)。

このような場合は、仕事でのアスベスト(石綿)ばく露ではないので、労働災害の認定を申請することは困難ですが、環境再生保全機構に石綿健康被害救済制度の認定の申請をすることができます。
3⃣ 労災申請
被災者の方が労働者である場合や労災保険に特別加入をしている一人親方である場合において、その期間内に仕事でアスベスト(石綿)にばく露し、その結果、アスベスト(石綿)関連疾患にかかったと認められるときは、労災保険の認定の申請が可能となります。
このような場合は、迷わず、労災申請を行いましょう。

労災認定されると、国から、下記のような手厚い給付が受けられます。
・療養補償給付(治療費をまかなうもの)
・休業補償給付(休業損害をまかなうもの)
・遺族補償給付(遺族の生活補償を行うもの)
労災給付には、慰謝料をまかなう給付はありませんが、上記のような各種給付を受けられることで、安心して治療に専念することが可能となります。

また、労災認定を受けるということは、仕事でアスベスト(石綿)ばく露した結果、アスベスト(石綿)関連疾患にかかったということが確認されたことになりますので、労災給付に含まれない慰謝料部分の損害等について、国や企業に請求する際の大きな足掛かりとなります。
また、労災認定を行うにあたって、労働基準監督署が調査した結果の資料(調査結果復命書などといいます。)は、後日、開示を受けることができ、上記のように国や企業に損害賠償請求する際の有力な資料となります。

4⃣ 救済金申請
被災者の方が、仕事とは関係なくアスベスト(石綿)にばく露した場合や、仕事でアスベスト(石綿)ばく露したと思われるが、それを証明することができない場合等、種々の理由で、アスベスト(石綿)関連疾患にかかっているにもかかわらず、労災保険の認定を申請できない場合があります。

しかし、このような場合でも全く救済を受けられないわけではありません。被災者の方がかかられたご病気がアスベスト(石綿)に起因するものであると確認できれば、環境再生保全機構に対して石綿健康被害救済制度の認定の申請をすることができます。
そして、この認定を受けることができると、医療費や療養手当、葬祭料、弔慰金などの一定の救済給付を受けることができます。

しかしながら、これらの救済給付は、労災認定された場合に受けることができる各種給付と比べれば手薄なものであると言わざるを得ません。
そのため、できる限り、労災認定を受けられることを優先するべきですし、石綿健康被害救済制度の認定を受けた後であっても、何らかの事情の変化(資料が見つかったなど)によって、労災申請が可能となるのであれば、申請するべきでしょう。
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